はじめに:「隠れ糖尿病」という、身体からの静かな悲鳴
- 「食事には気を使っているのに、なぜか身体がだるい」
- 「指先が冷えたり、こわばったりすることがある」
- 「健康診断の数値はギリギリ正常。でも、明らかに以前とは違う不調を感じる…」
もし、あなたがこのような「原因不明」の不調を感じているなら、それは「隠れ糖尿病」、つまり血糖値の乱高下が引き起こす、身体からの静かな悲鳴かもしれません。
しかし、その解決策は、単に糖質を制限することではありません。 この記事では、なぜあなたの身体が糖をうまく代謝できなくなってしまったのか、その本質的な原因を探求していきます。
なぜ、血糖値は乱れるのか?現代医学が見過ごす「身体の土台」
血糖値が乱れると、血液循環が悪化し、「むくみ」が生じ、関節のこわばりや炎症といった、様々な不調が連鎖的に引き起こされます。
一般的には、「食事の乱れ」や「運動不足」が原因だとされます。しかし、私は長年の臨床経験から、それらはあくまで二次的な引き金に過ぎないと考えています。
本当の原因は、その前段階にあります。 それは、姿勢や脊柱の歪みから起因する、自律神経の乱れです。
あなたの身体は、糖を代謝できる「状態」にありますか?
血糖値が上がりやすい身体には、以下のような共通のサインが見られます。
- 筋肉量が少ない
- 色白で、血色が悪い
- 脚がむくみやすい
- 手が冷える
- 胃腸の調子が悪い(便秘や下痢をしやすい)
- 脊柱の歪み、巻き肩
これらのサインは全て、あなたの身体の**「消化・吸収・代謝」**という、生命活動の最も基本的な機能が低下していることを示しています。
いくら質の良い食事を摂っても、この土台が崩れていては、身体は糖をエネルギーとして効率よく使うことができません。むしろ、弱った胃腸には負担となり、消化不良を起こし、身体に余計な「むくみ」を蓄積させてしまうのです。
自律神経という、見えざる司令塔
そして、この「消化・吸収・代謝」の全てをコントロールしているのが、自律神経です。
自律神経は、胃腸の働きや消化液の分泌を調整し、糖の代謝にも深く関わっています。しかし、脊柱に歪みがあると、神経の伝達機能が障害され、自律神経の働きは悪化します。その結果、血糖値が上昇しやすい身体環境が作られてしまうのです。
よく「ストレスが自律神経を乱す」と言われますが、これも因果関係が逆です。 まず、「冷え、こわばり、むくみ、痛み」といった身体的ストレスがあり、それによって自律神経が乱れ、その結果として精神的なストレスにも弱くなるのです。
どうすればいいのか?まず「身体を整える」ことから始める
血糖値を下げるには、もちろん運動や食事も重要です。 しかし、それらはあくまで二次的な対策です。一次的な問題である「身体の状態」そのものを整える必要があります。
- 身体をチェックするポイント
- 血糖値の問題は、末端部分から始まることが多いのが特徴です。指先が冷たい、指がこわばる、腱鞘炎のような痛みがある。これらは、毛細血管の血流が悪くなっている、重要なサインです。
- 整えるべき身体の問題点
- 巻き肩、脊柱の歪み、脚のむくみ、関節の動きの悪さ。 これらの物理的な問題を解決し、身体的ストレスを減らすことで、自律神経の乱れは整い、あなたの身体は食べたものを正しく使える状態を取り戻していきます。
まとめ:食事や運動だけでは、なぜダメなのか
食事や運動だけで血糖値の問題が解決しない理由は、あなたの身体が、それらの素晴らしい入力を受け取れる「準備」ができていないからです。
まず、ご自身の身体にすでに現れているサイン(冷え、むくみ、こわばり)に目を向け、身体の土台そのものを整えること。
その上で、食事を意識し、運動を取り入れる。 その順番こそが、あなたが真の健康を取り戻すための、唯一の道筋なのです。