痛みの本質を探る(原因とメカニズム)

その膝の痛み、本当に「年のせい」?レントゲンには写らない3つの根本原因

膝犯人

はじめに:「もう年だから…」その一言が、可能性を奪っているかもしれません

歩いて膝が痛くなった高齢者
  • 「立ち上がる時に、膝にズキっと痛みが走る…」
  • 「病院に行ったら『年のせいですね』『体重を落としましょう』と言われるばかり…」

長年、膝の痛みに悩むあなたは、ヒアルロン酸注射や痛み止めで、その場の痛みをしのいでいませんか。心のどこかで「もう年だから仕方ない」と、ご自身の身体の可能性に蓋をしてしまっているかもしれません。

ですが、本当にそうでしょうか。 なぜ、あなたの膝は痛むのか。その原因に対して正しく取り組めば、身体は必ず応えてくれるはずです。この記事では、諦める前に知ってほしい「本当の原因」と、希望ある未来への道筋をお伝えします。

一般的な見解と、そこに隠された「本当の問い」

ドクターにレントゲン写真膝をみせられてよくわからない様子

整形外科へ行くと、レントゲンで「軟骨がすり減って、骨が変形しているから痛いんですよ」と説明されることがほとんどです。

しかし、ここで一つの事実があります。それは、骨が変形していても、全く痛みを感じずに生活しているご高齢者も大勢いるということです。

『なぜ、あなたの膝にばかり、負担が集中してしまったのか?』

私の臨床が示す「核心的な答え」:「腰の神経」「お腹の水」、そして「足首の歪み」

膨らんだ風船としぼんだ風船の様子と水がたまる原因を示唆

私の臨床経験上、多くのご高齢者の膝痛の背景に、大きく分けて3つの根本原因が隠れていると考えています。

  1. 腰部のズレによる「神経」の問題
    • 長年の身体の癖により、腰の骨(腰椎)がズレると、そこから出ている神経が圧迫されたり、異常に引っ張られたりします。実は、膝の感覚を支配する神経は、腰から出ています。
  2. お腹の機能低下による「水」の問題
    • 「膝に水がたまる」という症状も非常に多いですが、その根本には下腹部の機能低下、いわゆる「水腹(みずばら)」の状態が大きく影響しています。
  3. 腓骨の機能低下による「足首の歪み」の問題
    • そして、見過ごされがちでありながら、極めて重要なのが、足首の外側にある腓骨の機能低下です。これが、無意識の「小指重心」を生み出し、膝へのねじれを増大させます。

なぜ?膝ではなく「腰」「お腹」「足首」が影響するメカニズム

高齢者の腰の歪みをチェックしている様子

では、なぜこれらの部位が膝に影響するのでしょうか。

  • 「腰の神経」が原因の場合
    • 腰がズレて神経が圧迫されると、痛みから逃れるために、身体は無意識に不自然な姿勢をとります。その結果、体重が膝の片側に偏ってかかり続け、炎症や痛みを引き起こすのです。
  • 「お腹の水」が原因の場合
    • その根本には自律神経の乱れが関わっています。自律神経が胃腸の働きを低下させ、代謝が悪くなることでお腹に水が溜まります。この溜まった水分は、重力によって下へ下へと落ちていき、膝関節の周辺に集まります。膝周囲の組織の**「弾力性」**が低下していると、この水分を押し返すことができず、簡単に関節内に水が溜まってしまうのです。
  • 「足首の歪み」が原因の場合
    • 足首の外側にある腓骨の動きが悪くなると、身体はバランスを取るために、無意識に足の外側、つまり小指側に重心を置くようになります。この「小指重心」は、足首を常に内側に傾ける**「内反位」という状態を作り出します。この足首の歪みが、歩くたびに膝関節に「ねじれ」**の力を加え続け、関節の内側にある靭帯や軟骨を、じわじわとすり減らすように摩耗させてしまうのです。

まとめ:100年時代を、自分らしく歩むために

「もう年だから」という言葉で、ご自身の可能性を諦めないでください。

あなたの膝が長年頑張ってきたサインである「痛み」に正しく耳を傾け、その根本原因にアプローチすれば、身体は必ず応えてくれます。

今、ここでしっかりとご自身の身体と向き合うことが、これからの人生、生涯自分の足で、自分らしく歩き続けるための、最も価値ある資産になるはずです。

【探求を深めるために】

この記事で触れた「弾力性」や「自律神経」といったテーマは、私の健康哲学の核となるものです。その本質については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。ご興味のある方は、ぜひ探求の旅を続けてみてください。

【第2章】なぜ「弾力性」が心と身体を回復させるのか?

【自律神経の基本①:構造編】あなたの身体を動かす、見えざる設計図

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